Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノリサイタル(5月5日)

2日前のピアノ協奏曲のせいでほてった体を冷やす間もなく、ポゴレリッチのピアノリサイタルの日がやってきました。

ショパン:夜想曲 ホ長調 op.62-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
***
ブラームス:間奏曲 変ロ長調 op.118-2
シベリウス:悲しきワルツ
ラヴェル:夜のガスパール


最初の夜想曲は、作品55-2の予定が、演奏会直前に作品62-2に変更されました。また後半に、当初は予定されていなかったブラームスの間奏曲が“演奏家の希望により”追加されました。

最初のショパン2曲は、2005年の公演プログラムと同じということになります。前回、ポゴレリッチ生演奏会がはじめてだった私は、ものすごいスローテンポに驚き、これは苦行か?拷問か?と思うような、極度の緊張を強いられ、途中で具合が悪くなったほど(通常25分ほどのピアノ・ソナタが40分以上もかかったのです)。ですが、今回は2度目ということもあり、覚悟ができていたので、わりと冷静に聴くことができました(そこまでして聴きたいんかい!といわれれそうですね。なんか、麻薬と同じで、一度体験するとやみつきになるのです……)。普通の演奏では外面の華やかさに隠れて見えなくなってしまうショパンの闇の部分を、ポゴレリッチは執拗にえぐり出して見せます。いわゆる優雅で甘美なショパンが好きな人には耐えられないのかもしれませんが、その優雅さ、甘美さゆえにショパンが苦手だった私は、ポゴレリッチの暴き出した、暗く、虚無的で、怪奇趣味的なショパンに、恐怖しながらも惹きつけられずにはいられません。

リストの「メフィスト・ワルツ」、ブラームスの間奏曲、シベリウスの「悲しきワルツ」……と、作曲者は変わっても、基本的なアプローチは同じ。悪魔的、催眠的なムードは変わりません。黒魔術の儀式のような時間が続きます。「悲しきワルツ」では、いつまでたってもワルツなんて始まらず……。いつしか意識が遠のき、かなーり長い夢を見て、最後の一音ではっと目が覚めました。演奏会で寝てしまうなんてはじめてだわ。しかし、次の「夜のガスパール」は圧巻の演奏でした。ラヴェルの描いた怪奇、幻想の世界がリアルなイメージとして目の前に広がるという恐るべき体験をしました。

時間の感覚がわからなくなり、終わったときは、一夜を過ごしたような、一瞬の出来事だったような、不思議な気分でした。ホールを出たのは17時20分過ぎだったので、たっぷり3時間以上の演奏会だったことになります。

心にも体にもずっしりとくる、ヘヴィーな演奏会でした。しばらくの間、ピアノ曲は聴きたくない感じです。
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by AngeBleu | 2010-05-06 01:33 | 音楽

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