Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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東京バレエ団「オネーギン」(2012年9月30日)

一昨年初めて観て感激し、再演を待ち望んでいた、東京バレエ団の「オネーギン」。今回は、吉岡美佳さんとエヴァン・マッキーの日を選びました。エヴァン・マッキーは、今年の6月のシュツットガルト・バレエ団の「白鳥の湖」で知ったダンサー。シュツットガルト・バレエ団のその公演はいろいろな意味で残念な公演だったのですが(あまり多くは語るまい)、唯一の収穫が、エヴァン・マッキーに出会えたこと。顔だけ見れば、金融関係にお勤めの方?みたいな印象なのですが(笑)、舞台上の姿は本当に美しく、ノーブルで端正で、パートナーへの心配りも完璧な、まさに理想のジークフリードでした。

そのエヴァン・マッキーのオネーギンは、期待以上のすばらしさでした。一幕、ノクターンOp.19-4で踊る最初のソロで、もう涙が……。冷酷さの鎧の中に、とてつもなく大きな空虚を抱えた男。その空虚の中心に、ガラスのようなナイーブな心が隠れている。それが一瞬にしてわかってしまって、もう痛々しくてかわいそうで……。タチヤーナはオネーギンが単に都会的でかっこいいオニイチャンだから好きになったわけではなく、彼の中にどこか自分に似たところを見つけて惹かれたのではないでしょうか? 二幕でオネーギンがタチヤーナの手紙を破っていくシーンでは、タチヤーナよりもむしろオネーギンが哀れで泣けました。……オネーギンという人物にこんなに感情移入できるなんて、本当に意外。一昨年木村和夫さんで観たときは、ひたすら憎たらしくて、最後タチヤーナに拒絶されたのも「自業自得じゃ!」と思ったのに(笑)

一方、オネーギンとタチヤーナのデュエットでは、残念ながら心震えるような瞬間はついに訪れませんでした。吉岡美佳さんは容姿もテクニックも申し分ないタチヤーナで、エヴァン・マッキーと並んで決して見劣りするわけではないのです。なのに、なぜでしょうね。そこに愛がなかった……。斎藤友佳理&木村和夫の、ふたつの魂がひとつの炎となって燃え上がるような、あれほどまでのパートナーシップはまさに奇跡だったのだな~と今さらながらふたり(特に斎藤さん)の凄さを再認識。そして、演じる人の違いでまったく別のドラマを見せてくれる「オネーギン」という演目に、ますます魅せられました。
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by AngeBleu | 2012-10-07 14:16 | バレエ

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