Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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ロパートキナの「白鳥の湖」(2012年11月20日)

3年ぶりのマリインスキー・バレエ。「白鳥の湖」を、自宅から車でわずか15分のところにある府中の森芸術劇場で観ることができました。お目当てはもちろん、ウリヤーナ・ロパートキナです。こんな東京の外れの田舎町で、世界の至宝、ロパートキナの白鳥が見られるなんて~ありがたいことです。

ロパートキナの白鳥のすばらしさについては、いたるところで語り尽くされているので、今さら何も言うことはないですね……。ただ美しい踊りを見ているというのではなく、「美」そのものを見ていた3時間。ロパートキナは、神の「イデア」を人間の目に見えるように伝えるべく選ばれた芸術家なのだと思いました。

さて、「白鳥の湖」のラストには、大きく分けて3つのバージョンがあります。

1.王子が悪魔に勝利して、オデットと結ばれるハッピーエンド
2.王子とオデットは湖に身を投げ、天に昇って行く(現世では結ばれないが、あの世で結ばれるからハッピーエンドといえなくもない)
3.王子とオデットは引き裂かれ、あの世でも決して結ばれることはない

最近は、1のハッピーエンドバージョンの演出は減っているのだとか。今年観た他のふたつの「白鳥」(ボリショイ、シュトットガルト)は両方、3の究極のバッドエンドでした。たしかに、物語として納得できるのは3ですね。愛し抜くことができなかった者は、死後も永遠の責め苦を負うべきだと思いますから。1バージョンでは、王子が悪魔の翼をぶちっと引きちぎって、悪魔がアイタタ……って苦しんで死ぬんです。デパートの屋上でやっているヒーローショーかよ(笑)って突っ込みたくなりますよねえ。ところが、今回のマリインスキーの「白鳥」はそのあほらしい1バージョンなんです。

でも、ロパートキナの「白鳥」に限っては、ハッピーエンドでよかったな~と思いました。魔法が解けて、白鳥から人間の女性に戻ったときの姿が見られるから! 冷たく冴え冴えとした表情が一転、晴れやかな笑顔に変わる瞬間。あの花のような笑顔を見たら、ストーリーの荒唐無稽を忘れてしまいます。「白鳥」の一番の見どころといえば、オデット/オディールの演じ分けですが、ロパートキナの場合は、人間の女性というもうひとつのキャラクターも演じているのですね。すごい。
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by AngeBleu | 2012-11-25 19:42 | バレエ

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