Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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「愛、アムール」

ミヒャエル・ハネケ監督の最新作で、昨年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品。ハネケにしては毒がないなどという前評判も耳にしていましたが……。いやいや、そんなことはありません。老老介護というテーマ、「Love」というタイトルから想像されるような、深い余韻や感動とはまったく無縁。毒気たっぷりの、恐るべきアンチメロドラマでした。

それにしてもキャストがすごいです。ジャン・ルイ・トランティニャン(ジョルジュ)とエマニュエル・リヴァ(アンヌ)の美老人ぶりには目を瞠るばかり。さらに、ピアニストのアレクサンドル・タローが本人役(元ピアノ教師だったアンヌの教え子という設定)で出ていたのには驚きました。劇中で流れる音楽はもちろんすべてタローの演奏です。実際の演奏場面もありました。老夫婦のサロンを訪ねたタローが、半身不随となったアンヌの求めに応じて、ベートーヴェンの「バガテルト短調」を弾くのです。いかにもタローらしい洒脱な演奏! 映画のなかでここだけ場違いな明るさ(笑)バガテルといえばベートーヴェンの最晩年にして最後のピアノ曲ですが、不安や翳り などみじんもない輝きにあふれた曲なのですね。シューベルトの最晩年の曲の暗さとは対照的です。その、そこはかとなく死の香り漂うシューベルトは作品全体に通奏低音として響いています。アンヌは死を感じさせるものはすべて遠ざけたかったのでしょう。たとえ愛する音楽でも。のちに愛弟子から贈られた最新CDはシューベルトの作品集でしたが、彼女は聴くことを拒否するのです……。

「愛、アムール」のサウンドトラックは、アレクサンドル・タローのミニアルバムのような趣になっています。7曲しか入ってないのかーと思いつつも、hmvの輸入盤まとめ買い価格で984円だったので、買ってしまいました。映画中のタローはシューベルトのソナタ集を録音したことになっていましたが、その企画は現実でも進行しているんでしょうか? シューベルトもですが、少しだけ流れていたバッハ/ブゾーニのコラール前奏曲集もぜひお願いしたいな~なんて思っています。
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by AngeBleu | 2013-04-01 21:26 | 映画

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