Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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水族館劇場@太子堂八幡神社

水族館劇場、3年ぶりの東京公演に行ってきました。
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世田谷の閑静な住宅街にある小さな神社の境内に、突如現れた異空間への入口。
案の定ストーリーは全然わからなかったけれど(笑)テント芝居の枠を超えた大がかりな仕掛けはますます進化しているような気がします。

公演は6月4日まで。初夏の夕暮れ、ここではないどこか、現在ではないいつか(過去?未来?)へ、しばし旅立ってみたい人におすすめです。
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by AngeBleu | 2013-06-02 15:40 | 演劇

橋本フサヨの「マイムdeかぽれ」(1月29日)

パントマイマー橋本フサヨさんの久々のソロ公演を観に行きました。会場は、総武線平井駅から徒歩5分の商店街に建つ、大正ロマン風の内装が素敵な喫茶店「儚夢亭(ろまんてい)」。第一部はパントマイム、第二部は「かっぽれ」というなんとも異色なプログラムです。「かっぽれ」とは大阪の住吉神社で踊られていた奉納芸に端を発する大道芸。何年か前にフサヨさんが「かっぽれ始めたの。楽しいよ」と言うのを聞いてはいましたが、いつのまにか名取りにまでなっているなんて驚き! 現在は「桃川亜太坊」の名で踊っているそうです。

第一部は、いつもどおりマイムというより「フサヨ」芸としかいいようのない独自の詩情あふれる世界。特に、幼いジプシーの兄弟との出会いと8年後の再会が切なくまぶしく語られる『グラナダ』が素晴らしかったです。グラナダの夏の太陽と兄弟の笑顔、戸惑って立ちつくすフサヨさんの心情が、胸に迫ってきました。

第二部では、粋な着物姿で現れた桃川亜太坊。赤いたすきにねじりはちまきがかっこいい! 卵に手足というあの体型(失礼!)にして、抜群のリズム感とキレのよさ。他の人が踊るかっぽれを見たことがないのでなんともいえませんが、おそらくかなりフサヨさん独特の踊りになっていたのでは。マイムからかっぽれへの流れの違和感が全然ありません。なかでも『フラメンコかっぽれ』は傑作。森繁久彌さんの歌も最高なんですが、桃川亜太坊が踊るとさらにおもしろさ倍増で、会場が沸き返りました。ぶらぼー、あたぼー。
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by AngeBleu | 2011-01-31 20:49 | 演劇

SCOT『リア王』@吉祥寺シアター(12月20日)

鈴木忠志率いる劇団SCOTによる『リア王(4カ国語版)』を観劇。

重厚で濃密ですばらしかったです。役者たちが静かに舞台上に現れた瞬間から鳥肌たちっぱなしでした。まず、絵画の中から抜け出したような豪華な衣装。古代朝鮮の王朝風だったり、中世フランドルの豪商風だったり(服飾史に詳しくないので適当に言ってます)、皆それぞれ国も時代も異なるバラバラな衣装を身につけているのに、不思議に全体として調和しているのです。まさに芸術品。衣装ばかり褒めていますが、もちろんそれをまとう身体の存在感があってこそ、すばらしさが引き立つのです。

4カ国語上演と聞いて、観る前は「?」でしたが、これがまたおもしろい。リア王はドイツ語、長女は英語、次女は韓国語、末娘は日本語……と、国籍の異なる役者たちがそれぞれの母語で台詞を言っているのですが、全く違和感がありません。シェイクスピアの言葉が、時代も場所も超えた普遍的なものだからでしょう。

富山県の利賀村を本拠地とし、東京公演はめったにないSCOT。もう1演目の『ディオニュソス』は残念ながらチケット完売のため観ることができませんでした。しかし来年以降も毎年12月に吉祥寺シアターで定期公演をすることが決まっているそうです。来年の公演が今から楽しみです。
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by AngeBleu | 2010-12-23 22:50 | 演劇

ベルリン・ドイツ座『野がも』(11月26日)

国際イプセン演劇祭の一演目として「あうるすぽっと」で上演された、ベルリン・ドイツ座の『野がも』を観劇。

b0163474_2201877.jpgやさしい妻と一人娘に恵まれ、ささやかながら平穏な生活を送っていたヤルマール。そこへ古い友人のグレーゲルすが訪ねてきて、ヤルマールの妻ギーナとグレーゲルスの父の過去の関係を暴露します。真実を知ったうえで本当の幸福を築いてほしいという「思いやり」でしたが、ヤルマールはその「真実」に耐えることはできず、一家は崩壊してしまいます……。
岩波文庫版の『野鴨』を読んだときは、はっきり言って「前時代的で、おもしろくない」と思いました。
「正直に言うんだ、あの子はおれの子なのか?」「知らないわよ」「私はお父さんの本当の子供じゃないのね」
……なんか「花王 愛の劇場」みたい(笑)。娘が父の愛を取り戻そうとしてかわいがっている野鴨を殺す決意をするというのもイマイチ意味がわからないし。そんな古くさい戯曲が、前衛的な演出で知られるベルリン・ドイツ座によってどのような現代劇になるのか? 興味津々で出かけたのですが……、想像以上のモダンな舞台、そして意外なおもしろさに驚き! 装置は、円筒を斜めに切った形の回り舞台だけ。さすがに岩波文庫の表紙写真みたいな舞台ではないだろうとは思っていたけれど、ここまでシンプルだとは。
台詞も大胆にそぎ落とされ、物語の骨格だけが浮き彫りにされています。役者はほとんど棒立ちで、動くときは操り人形のようにぎこちなく、台詞もまるで棒読み。それなのに、それぞれの人間性がくっきりと浮かび上がってくるのが不思議です。真実の使徒を自認する迷惑男グレーゲルス、真実を知るに値しないくだらない男ヤルマール、幸せのためなら嘘もやむなしと開き直るギーナ。そして、そんな大人の事情とはかけ離れた、ただひとつの無垢な存在である娘ヘドヴィク。彼女が回り舞台の斜面上でピストルを手にえんえんと逡巡する姿(原作にはない)は、正視できないほどつらい、恐ろしい場面でした。
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ところで、一緒に観に行ったTくんは、私がいいと思った部分をことごとく「つまらない」「ダメ」という評価。なんか感じ悪いですね、人がせっかく感動しているのに(笑)。たしかに、あまりにもわかりやすすぎるというか、大衆向けというか、決してすごく新しい演劇というわけではないみたいだけど……。私にとっては、イプセンのおもしろさをわからせてくれただけでも価値がありました。

この作品の演出家、ミヒャエル・タールハイマーによる、ベルナール・マリー・コルテス作『黒人と犬の闘い』が、Arte Live Webで配信されています。10月にパリの国立コリーヌ劇場で上演されたもので、タールハイマーが初めて手がけたフランス語の作品だとのこと。ちらりと見た印象では、恐ろしく緊張感に満ちた芝居のよう。時間のあるときにじっくり観てみたいです。
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by AngeBleu | 2010-11-30 02:42 | 演劇

『巨大なるブッツバッハ村―ある永続のコロニー』(11月21日)

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今ドイツ語圏で最も注目されているという演出家、クリストフ・マルターラーの初来日作品を観に東京芸術劇場へ。チケットを買ってから気付いたのですが、マルターラーって、「Arte Live Web」のネット配信で観た、今年のアヴィニョン演劇祭の『Papperlapapp』の演出家でした。『Papperlapapp』は、特にストーリーはなく、かみ合わない会話、長い沈黙、ぎこちなく意味のない動き、ときどき奇跡的に美しいコーラス、再び沈黙……その繰り返しがえんえんと続き、結論のないまま終わります。なんというか、非常に苦痛を強いられる作品だったのです。(実際、途中で帰る人が目立った。ブーイングもあり。)「同じようなのだったらどうしよう?」と早まってチケットを買ったことを半ば後悔しつつ、「いや、打って変わっておもしろい作品に違いない」という根拠のない希望にすがって観に行きました(笑)

『巨大なるブッツバッハ村―ある永続のコロニー』。特にストーリーはなく、かみ合わない会話、長い沈黙、ぎこちなく意味のない動き、ときどき奇跡的に美しいコーラス、再び沈黙……。『Papperlapapp』とまったく同じ(笑)。でも、今回は、すごくおもしろく、感動に震えさえしたのはなぜでしょう。日本語字幕はほとんど見えず(見せる気ないでしょう、というくらい見えにくかった)、会話の内容、筋書きなど、まったく理解できなかったにもかかわらず、です。舞台上にそこはかとなく漂う、資本主義の崩壊を感じつつもその中で生きていくしかない人々の悲哀。それはまさに、現在の日本に生きる私たちにも共通するものだからでしょうか。言葉ではなく、音楽やノイズ、滑稽な動作の繰り返しで、観る者の感覚にじわじわと作用を及ぼしていく……なんとも不思議な劇でした。

興味のある人は、Arte Live Webで『Papperlapapp』(ドイツ語字幕版)が視聴可能ですのでどうぞ(2010年12月末まで)。カトリックへの皮肉をカトリックの中心地であったアヴィニョン法王庁宮殿で上演するという挑発的な作品です。そういった歴史的文脈になじみがない私にはただただ退屈、そして長い。でも、音楽と舞台美術は、『ブッツバッハ村』と同様、絶品です。途中退出する人々の群れやブーイングを演出の一部として利用する(?)あたりもお見事。
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by AngeBleu | 2010-11-22 20:59 | 演劇

『砂と兵隊』@こまばアゴラ劇場(9月25日)

こまばアゴラ劇場で上演中の青年団公演『砂と兵隊』(作・演出:平田オリザ)を観てきました。昨年の春、パリでこの作品のフランス語版を観ていたので、今回の一番の関心は、フランス語版とオリジナル版でどう違って見えるのかということでした。

2009年春の『Sables et Soldats』の鑑賞記録はこちら

結論からいえば、フランス語版は、細かい設定や台詞などは変えられていたものの、作品の世界観に忠実なすばらしい翻訳と演出だったことがわかりました。
違いがあったのは、舞台ではなく、観客の反応のほうです。
この芝居、登場人物が終わることのない行軍を続ける中、終演を告げる字幕(「もう終わったので帰ってね」)が出て、観客は拍手することもなく席を立って、もやもやした気分のまま帰らざるをえないことになっています。(ですよね?)
しかしパリ公演時は、ほぼすべての観客がカーテンコール(スッキリする終わり方)を期待して、終演後いつまでも盛大な拍手を送り続けていたのです。私はその拍手を背中で聞きながらそそくさとホールをあとにしたのでした。パリ公演の観客は当然ながらほとんどがフランス人。彼らにとっては、フランス人によるフランス語の芝居であっても、現実にはありえない話……つまり、あくまでもよくできたコミカルな不条理劇にすぎないのです。日本人の私にとっては、笑うに笑えない「日本でならいかにもありそうな」会話の連続だったというのに……。
登場人物が日本人という設定のオリジナル版では、その居心地の悪さが当然ながらもっと強まります。「もうすぐ日本は滅びます」とはっきりいわれているようなものですからね。そんなこといわれて拍手する日本人はいないでしょう。
フランス人は、良くも悪くもまだまだ自分に自信があり、また、自分たちの社会(フランス社会)を信頼しているのだろうな……などと、日仏の観客の反応の違いから、いろいろと考えてしまいました。

オリジナル版の俳優は、ベテランを中心にさすがの安定感。女性兵士役のひらたよーこさんの目の光と、妻を探す夫役の志賀廣太郎さんのうらぶれた男ぶりに惚れぼれ。ふたりとも声がすごくよくて、ひりひり焼けた心にしみとおるような潤いがありました。

『砂と兵隊』の東京での公演は、10月6日まで。5、6日には、フランス語版(日本語字幕付き)の上演もあります。フランス語版をもう一度観てみたい気もします……。前売りは6日が完売で、5日が売り切れ間近のようです。詳しくは青年団HPで。
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by AngeBleu | 2010-09-26 19:12 | 演劇

橋本フサヨ×洲永敬子『うせものいづる』

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パントマイマーの橋本フサヨさんの新作公演『うせものいづる』、本日の初日を観てきました。今回の作品は、元新宿梁山泊の洲永敬子さんと組んだふたり芝居。演出は鄭義信さん。引越の日の部屋で起こった数時間の出来事を描いた、心がふわっとあたたかくなるお話です。なくしたものがあることさえ忘れている自分にふと気づいたりもして。会場は、浅草橋の古い民家を改装したギャラリー。隅田川沿いというロケーションも抜群で、このお芝居にふさわしい雰囲気たっぷりの場所でした。

フサヨさんとはじめて出会ったのは15年ほど前のアヴィニョン演劇祭で、それ以来のファンです。ファンというより、心の大切な宝物という感じかな。パントマイマーと名乗っておられますが、パントマイムというジャンルではくくれない独自の世界をつくりあげる人。どこに惹かれるのか言葉では説明できないけれど、ほかの何にも似ていなくて、観るたびに不思議な気持ちにさせられます。アヴィニョン生まれの小説家アンリ・ボスコのことを教えてくれたのもフサヨさんでした。『シルヴィウス』や『ズボンをはいたロバ』など、ボスコの作品もどのジャンルにも属さない不思議な小説で、これも私の宝物のひとつ。

今回の『うせものいづる』は、洲永さんがフサヨさんから借りた『シカゴ育ち』(スチュアート・ダイベック)という本の中の詩を読みたくなったことから始まった作品だそうです。結果的には芝居のなかで朗読されることはなかったのですが、きっといい小説なんだろうな。読んでみようと思います。

『うせものいづる』
2009年11月20日(金)~23日(月・祝)
会場/ルーサイトギャラリー(東京都台東区柳橋1-28-8)
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by AngeBleu | 2009-11-20 23:26 | 演劇

路上芝居『谷間の百合』(8月2日)

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今年7月に初めて知り、ちょっと気になる存在になった水族館劇場。またまた相棒Tに誘われ、8月2日に行われた1回限りの路上公演を観に行ってきました。

場所は、早稲田大学内演劇博物館の前。この日は朝から雨が降っていて、開演前もかなり雨脚が強かったのですが、開演時間の16時にぴたりと雨が止み、めでたく予定どおり開演しました。雨に濡れたおかげで、単なる路上にいい感じの陰影が生まれたような気がします。

1960〜70年代に活躍したストリッパー、一条さゆり・・・私は名前くらいしか知らなかったけれど、ある年代以上の人にとってはなつかしい存在なのでしょうか。絶頂期は反権力の象徴とまつりあげられ一世を風靡しながら、晩年は釜ヶ崎(大阪の寄せ場)で暮らし、なかば行き倒れのような形で亡くなったそうです。芝居は、人気絶頂の踊り子一条さゆりと晩年の落ちぶれた姿の一条さゆりが身を寄せ合って慰め合う・・・という、今どきにないド演歌の世界。苦手だわあ(笑)。ただ、若い一条さゆりを演じた女優さんは独特の雰囲気をまとった人でとても心惹かれました。頭から首にかけてのラインがきれいで、踊り(ローソクショー)もうまいなあと思っていたら、なんと本職のストリッパーなんですね。こんな若い女の子(しかも美人)が、AVとかグラビアではなくストリップを選んで職業にしているなんて驚きです。・・・なんか、芝居の内容の感想ではなくなってしまいました。

水族館劇場の本公演は、基本的に1年に1度だけらしいですが、2010年5月の公演がもう決まっているとのこと。詳しくは水族館劇場のHPで。筋書きの陳腐さに不満を感じるものの、舞台美術と宣伝美術だけは好みなのでたぶん来年も行くと思います。
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by AngeBleu | 2009-08-03 07:58 | 演劇

水族館劇場「メランコリア 死の舞踏」@駒込大観音境内

「千駄木になんかおもしろそうな野外劇場が立ってるから行ってみいひん?」と相棒に誘われ、この前の日曜に出かけてみた。毎年梅雨前のこの時期になると、駒込大観音という神社の境内に仮設舞台が出現し、このあたりを仕事でよく通る相棒は前から気になっていたらしい。
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なるほど、たしかになんかおもしろそう。小さな神社の境内に、巨大な難破船と見まがうような芝居小屋が建てられている。普通の住宅街の中に突如現れた異空間への入口とでもいおうか。

まずは、小屋の外で10分ほどの口上。その後、小屋の中に入って本編開幕となる。やっている芝居はわりと普通。出ている人もあまりうさんくさくない。でも、舞台装置がすごい。「水族館」「空中スペクタクル」ってこういうことなのか、と納得。舞台の中央に大きな水槽があって、役者たちは、舞台袖ではなく、水の中にはけていくのだ。(水族というより両生類なのでは?)最後は、大洪水ですべてが流され、予想していたこととはいえ、実際にその光景を目の当たりにすると幻惑させられた。

公演はこの先6月8日まで毎日夜19:00からやっています。詳細は水族館劇場ウエブサイトで。
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by AngeBleu | 2009-06-03 14:04 | 演劇

平田オリザ『砂と兵隊』パリ公演

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今、フランス出張中です。
パリ郊外のテアトル・ド・ジュヌヴィリエで上演中の、平田オリザ作・演出の『砂と兵隊』を観てきました。平田オリザの作品は、フランスですでにいくつか紹介されていて、昨年はフランス語字幕付きの『東京ノート』が上演されたそうです。ありふれた日常会話が続くだけなのに、いつしか観る者の心にさざ波を起こす……、そんな静かな舞台が、饒舌なフランス人の心もひきつけたのでしょうか。今回の『砂と兵隊』は、フランス人の役者による、フランス語上演と聞き、どんな舞台になるのかと興味を持ちました。私はこの芝居を日本で観ていないので、フランス語大丈夫かな、と心配だったのですが、いつもの平田作品のようにシンプルな日常会話で構成されていたので、おおむね理解できました。

舞台上には、巨大な砂の山が築かれています。どうやら、中東かどこかの砂漠のまんなかのようです。奥の砂山の向こう側から、軍事訓練中の3人のフランス人兵士が現れます。ひとしきりナンセンスな会話をしたあと、ほふく前進で砂の上を横切り、去っていきます。次に、母を探す娘とその父、砂漠パッケージツアーでやってきたハネムーンカップル、従軍中の夫を訪ねてきた妻、本心では人殺しなんてしたくないと思っているふたりの敵兵(このふたりだけ日本人が演じていました。日本語混じりで)。ときには互いにからみあいながら、同じようにナンセンスな会話をし、同じように舞台袖に消えていきます。彼らは目的地に着くことができるのでしょうか。探している人に出会えるのでしょうか。そもそも、登場人物の誰も、自分がなぜ歩き続けているか、本当はわかっていないようです。不運な勘違いから敵兵に夫を殺された妻が、兵士たちを責めます。「民間人を守るのがあなたたちの仕事じゃないの?」 兵士は答えます。「そんなことが僕たちの仕事じゃない。僕たちの仕事は……歩くことだ」。

「本日の公演は終了いたしました。お気を付けてお帰り下さい」という字幕が(フランス語、日本語、アラビア語などで)出たあとも、登場人物たちはかわるがわる舞台に現れ、ずっと歩き続けます。おそらく、観客が全員帰るまで……。帰りのメトロの中で、永遠に歩き続ける人々のイメージが、ずっと頭の中に浮かんでいました。

客入りは、3分の1くらい。もっと日本人が観に来ているのかな?と思っていたのに、私以外、全員フランス人の観客でした。『Sables et Soldats』は、4月11日まで。テアトル・ド・ジュヌヴィリエは、メトロ13号線のGaberiel Peri下車徒歩10分です。なぜかこの劇場は、東京都民は半額になります。
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by AngeBleu | 2009-04-05 02:04 | 演劇

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