Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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バンベルク交響楽団のブラームス@サントリーホール(10月20日)

秋も深まってきました。秋にふさわしい音楽といえば、ブラームス……というわけで、バンベルク交響楽団のブラームス・チクルスのうち、最終日の昨夜(20日)の演奏会に行ってきました。曲目は「大学祝典序曲」「交響曲第3番」「ピアノ協奏曲第1番」。指揮はジョナサン・ノット、ピアノはピエール=ロラン・エマールです。

バンベルク交響楽団のブラームスは一度生で聴いてみたいと思っていました。1968年のカイルベルトとの来日公演の録音が、私の中での「ブラ4」の決定版です。洗練とはほど遠いゴツゴツとした演奏ですが、一種異様な迫力に満ちていて、これぞドイツのオケのブラームスという感じ。

そんな古風な演奏を想像していたのですが……。昨夜聴いたジョナサン・ノット指揮のブラームスは、武骨さや渋さはあまり感じられず、むしろ現代的で軽やかな印象を受けました。そりゃあ、40年前と同じ音が今も残っているわけはないですよね。それでも、ほどよく鄙びた、あたたかく豊かな響きがすばらしく、ああ、やっぱりブラームス好き……と夢見心地にさせてくれました。

交響曲第3番はもちろんよかったのですが、今まで2番に比べておもしろくないと思っていたピアノ協奏曲1番が、実はとてもいい曲だということがわかったのが収穫でした。特に2楽章がこんなにチャーミングだったとは! ピエール=ロラン・エマールの、感情を込めすぎないクールな演奏が、この曲の奥深さを引き出していたような気がします。
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by AngeBleu | 2009-10-21 23:41 | 音楽

ファティ・アキン『SOUL KITCHEN』@ドイツ映画祭2009

現在(10月15~18日)開催中のドイツ映画祭で上映された、ファティ・アキン監督の最新作『SOUL KITCHEN』を観ました。ハンブルクの下町のレストラン「ソウル・キッチン」を舞台にした人情喜劇。ストーリーはごく普通なのですが、テンポがよく、出てくる人が味のある人ばかりで、とてもおもしろかったです。『愛より強く(Gegen die Wand)』の主役だった人(ビロル・ユーネル)が一風変わった天才シェフの役で出ています。個人的には、主人公の弟で、仮出所中のちょいワル男(頭も悪い)が気に入りました。モーリッツ・ブライプトロイという人で、ドイツのトップ俳優だそうです。主人公が物語の最初に腰を痛めて最後までずっと変な動きだったのもおかしかったです。もしかしたら、俳優さんが本当にぎっくり腰になったからああいう設定にしたのかな? ぎっくり腰を1年に1回はやる私としては、笑えると同時に非常に身につまされました。懐メロ風味のスペイン歌曲「ラ・パロマ」、ソウルフルなロック……と、いつもながら選曲のよさにもうならされました。

社会派で通っているファティ・アキン監督の新作がコメディ映画だったことは、ドイツではかなり驚きをもって受け止められたのだとか。でも、前作の『そして私たちは愛に帰る(Auf der anderen Seite)』は、死という重いテーマを扱いながら、描き方は決して重くなかったように思います。「それでも生きていく」という、人生に対する強い肯定が感じられ、後味は非常にさわやかでした。この『SOUL KITCHEN』も、その延長上にある作品。単にドタバタなコメディなのではなく、人への愛、町への愛、生活への愛にあふれた、タイトルどおり「ソウル/魂」のこもった映画です。

ドイツでは12月に公開されるのだとか。ドイツ映画が本国より早く日本で観られるなんて、めったにないことですよね。しかも、主演俳優のアダム・ボウスドウコスさんと、プロデューサーのクラウス・メックさんの舞台挨拶と質疑応答付き。土曜の朝10:00という常識外れの早い時間にわざわざ出かけたかいがありました。
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by AngeBleu | 2009-10-18 02:42 | 映画

アレクサンドル・ソクーロフの『ボヴァリー夫人』

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シアターイメージフォーラムで公開中の、アレクサンドル・ソクーロフ監督『ボヴァリー夫人』を観た。

「フローベール没後130周年記念ロードショー」という触れ込みだが、いわゆる「文芸映画」を期待して観に行ったら、間違いなくがっかり・・・というより怒り狂ってしまいそう。まずエンマが、まったく美人でもなければ若くもない。のどかなノルマンディーの田園風景も出てこない(撮影されたのは、中央アジアのとある村だという)。19世紀初めという時代設定に合わない奇妙な衣装(ディオールのデザインだとか)。絵画のように美しい場面もあるけれど、随所に生理的不快感をかき立てるような映像や音響が差し挟まれる。「大きいもの恐怖症」(周りのものと比べて比率がおかしいものが怖い)の私には、ぞっとする場面もいくつか。特に最後の葬送のシーンがすごかった。異様に大きな棺がほんとに怖い。原作が『ボヴァリー夫人』であることを忘れ、その奇怪な映像「美」に心を乱されるばかりだった。

葬送のシーンは原作にないエピソードだと思っていたのだが、いま手元にある小説の『ボヴァリー夫人』をたしかめてみると、エンマは樫とマホガニーと鉛の三重の棺におさめられた、とちゃんと書いてある。「一番外側の棺は大きすぎた」「六人の男がかついで、息をあえがせながらよろよろと歩いた」とも。原作をまったく裏切っているような映画の中で、このシーンだけは、フローベールのテキストに忠実に作られていたのだ。三重の棺の中に肉体を封印することで、ようやくエンマは魂の救いを得たというのだろうか。おそるべき映画、そして、おそるべき小説。久しぶりに『ボヴァリー夫人』を再読してみたくなった。

「ボヴァリー夫人」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by AngeBleu | 2009-10-11 10:23 | 映画

エッシェンバッハ&パリ管「ブル9」ふたたび

NHK-FMベスト・オブ・クラシック、今週は「パリのオーケストラ特集」で、なかなか楽しい1週間でした。パリのオーケストラはまさに百花繚乱。フランス国立放送管がすごくうまいことがわかり、シャンゼリゼ管弦楽団は逆にかなり下手(ごめんねー笑)ということがわかりました。木曜日のコンセール・スピリチュエルが聴けなかったのが残念。

最終日の今夜は、エッシェンバッハ指揮パリ管弦楽団の登場です。曲目はリヒャルト・シュトラウスの歌劇「カプリッチョ」と、ブルックナー「交響曲第9番」。今年の5月11日にデンマークで録音されたものです。エッシェンバッハとパリ管の「ブル9」は、今年4月にパリで聴いて非常に感動したので、再び聴けるとあって今夜の放送は特に楽しみにしていました。

なんといえばいいのでしょう。この世のものとは思えない美しさです。もうほとんどあの世に一歩踏み込んでしまったような・・・。私はどちらかといえば爆演気味のブルックナーが好きですが、9番に限っては、このような押さえに押さえた繊細な演奏がいいですね。ブルックナーを聴いて涙が出ることはあまりないと思うのですが、今夜の演奏では「法悦」とでもいいたくなるような感情におそわれ、何度も涙があふれ出てきました。ブルックナーの死によって未完成に終わった曲ですが、第3楽章で終わりでいいんじゃないの? そう思えるくらい完成された演奏でした。
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by AngeBleu | 2009-10-09 23:33 | 音楽

『素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド』(中村真人著)

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ベルリン在住のフリーライター、中村真人さんの著書『素顔のベルリン』(ダイヤモンド・ビック社)が刊行され、発売日の今日、早速手に入れました。

中村真人(Masato)さんは、昨年末のベルリン旅行のときにお世話になったガイドさんで、ブログ「ベルリン中央駅」の作者でもあります。ベルリンに興味を持って以来、ずっとMasatoさんのブログのファンだったのですが、このたびの出版で、ネット上だけでなく、書籍という形でMasatoさんの文章が読めるようになったのは本当にうれしいことです。

ちょっと中身をのぞいてみたい人は「地球の歩き方ホームページ」の新刊情報ページをご覧ください。

これは画期的なベルリンガイドブックだと思います。いわゆる有名観光地にとどまらず、ふつうの旅行者はまず行かないような地区(フリードリヒスハイン、クロイツベルク、ノイケルンなど)についてもかなり詳しく書かれています。ベルリンをすみずみまで知り尽くした人にしか書けない、まさに「素顔のベルリン」というタイトルにふさわしい本です。紹介されているカフェやレストランも、ベルリンっ子が日常的に利用しているような店ばかり。写真も雰囲気のある美しい写真が多くて、旅心をそそられます。早くこの本を持ってベルリン散歩してみたいなあ(いつになることやら・・・)。あと、ベルリンの数奇な歴史についてのコラムも充実していて、単なる旅行ガイド以上の「読み物」として価値がある本だと思います。

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裏表紙はこんな感じ。この写真だけも、今までのベルリンガイドとはまったく違うことがわかります。

来月11月9日は、壁崩壊20周年の記念の日。そのイベントを目当てにベルリンを訪れる人も多いでしょう。ぜひこの本を片手に、奥深いベルリンに触れてみてほしいと思います。
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by AngeBleu | 2009-10-03 22:08 | ベルリン点景

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