Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013年(5月5日)

希望する公演がすべてすんなり取れてしまったので、5月5日は朝から夜まで5公演に行くことになりました。

公演番号351 10:30~11:15
“パリのバロック”
クープラン:「諸国の人々」 第1組曲「フランス人」より ソナード
マレ:サント・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘
クープラン:「諸国の人々」 第2組曲「スペイン人」より
マレ:フォリアのクプレ
ラモー:コンセール用クラヴサン曲集から 第3コンセール「内気」「タンブラン」
コレット:コミック協奏曲第25番 ト短調「未開人」
演奏:リチェルカール・コンソート
ソフィー・ジェント(ヴァイオリン)
トゥオーモ・スニ(ヴァイオリン)
マルク・アンタイ(トラヴェルソ)
イーフェン・チェン(トラヴェルソ)
フランソワ・ゲリエ(チェンバロ)

古楽のコンサートは、難しいことは何も考えずにただただ心地よさに浸っていられるから好き。ソプラノの方が急病で来日できなくなったため、曲目が変更されたそうです。その急遽追加になったマラン・マレの2曲が、ぞくぞくするほどいい曲で、もう大満足。「未開人」は、このアンサンブルだとかなり洗練されていて「高貴な未開人」って感じ。もっともっと聴いていたい……という思いを残しながら次の 公演へ。

公演番号352 12:15~13:00
フランク(バウアー編):前奏曲、フーガと変奏曲(「オルガンのための6つの小品」より)
ラヴェル:ソナチネ
フォーレ:夜想曲第11番 嬰ヘ短調 op.104-1
フォーレ:即興曲 嬰ハ短調 op.84-5(「8つの小品」より)
フォーレ:「無言歌集(ロマンス)」 op.17より 第3番 変イ長調
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
演奏:クン=ウー・パイク

ほんと、すごいピアニストだ。刑事コロンボが風采のあがらない見かけで犯人を油断させ、次第に追いつめていくように、クン・ウー・パイクも一見そのへんの冴えないおじさんのような姿でのっそりと舞台に現れ、油断した観客の魂を奪って行くのです。初めて聴くけれどいい曲だなあと思ったのが、一曲目のフランク。敬虔な祈りのさなかにも抑えきれない熱情がほとばしり出るような・・・静かなのに熱い、素晴らしい演奏でした。

公演番号324 16:00~16:45
ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調 op.21
デュロゾワール:聖母マリアへの祈り(ヴァイオリンとピアノのための)
演奏:クン=ウー・パイク (ピアノ)
レジス・パスキエ (ヴァイオリン)
プラジャーク弦楽四重奏団 (弦楽四重奏)

クン・ウー・パイクとプラジャーク・クヮルテット、それにヴァイオリンのレジス・パスキエ。若手アーティストの多いラ・フォル・ジュルネでは異色のおじさん軍団(笑)が、ショーソンの40分にも及ぶ大曲を熱演。パイクのピアノの重量感に圧倒されました。あの無表情の内側にどれほどの情熱が秘められているの!?

公演番号355 17:30~18:45
ヌーブルジェ:プラン・シエル(LFJ委嘱作品 日本初演)
メシアン:世の終わりのための四重奏曲
演奏:ニコラ・ドートリクール (ヴァイオリン)
ラファエル・セヴェール (クラリネット)
フランソワ・サルク (チェロ)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ (ピアノ)

先ほどのおじさん軍団とはうってかわって、平均年齢おそらく20代の4人による四重奏。一番若いクラリネット君は、なんと1994年生まれ! しかし若さ=未熟ではありません。ヌーブルジェの新曲(…って、彼、作曲もやってたんか!?)は、寝ちゃったらどうしよう(一列目ど真ん中の席なのに…)などという心配は杞憂に終わり、手に汗にぎるような緊迫感あふれる演奏に、耳だけでなく目も釘付け。メシアンの四重奏曲でも4人の集中力は全く途切れることなく、闇の中に光が差し込む神聖な光景を見せてくれたのでした。

公演番号346 20:15~21:00
“パリ×ダンス”
デュリュフレ:グレゴリオ聖歌による4つのモテット op.10
ギョーム・ド・マショー:ノートルダム・レー
プーランク:悔悟節のための4つのモテット
メシアン:おお聖なる饗宴
グレゴリオ聖歌より
演奏:ヴォックス・クラマンティス
ヤーン=エイク・トゥルヴェ (指揮)
勅使川原三郎 (ダンス)
佐東利穂子 (ダンス)

今年のラ・フォル・ジュルネ、締めくくりの公演。勅使川原三郎のダンスと合唱曲のコラボ。ダンスを観たい、でも、目を閉じて聴いていたい……と、とても困るんだわ。といいながら、もう4年連続で観ています(笑)ここまで、緊張感を強いられる演奏が続いていただけに、合唱の清らかな響きがしみじみと体のすみずみまでにしみわたるようでした。
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by AngeBleu | 2013-05-09 00:53 | 音楽

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013年(5月4日)

ゴールデンウイークのお楽しみ、ラ・フォル・ジュルネに行ってきました。今年のテーマは「パリ・至福の時」ということですが、毎回のことながら、膨大な数の公演からどれを選んだらいいのかわからない……。なので、とにかく好きな演奏家、気になっている演奏家の公演に行こうと。結果、ほとんどが初めて聴く曲で、中世(グレゴリオ聖歌)から、21世紀(ヌーブルジェ)まで、1日で1000年の旅をするという、目もくらむような体験をすることになりました。体はくたくたになったけれど、楽しかった~。

まずは5月4日の2公演の感想です。この日は、国際フォーラムに行く前に、竹橋の近代美術館でやっている「ベーコン展」に行ったので、かなり疲れ気味。演奏会はやめて帰ろうかと思ったほど。でも、一度音楽に身をゆだねてしまうと、疲れなどすぐに吹き飛んでしまいました。

公演番号256
19:45~20:30
“イベリア全曲①”
アルベニス:イベリア 第1集「エボカシオン」「港」「セビーリャの聖体祭」
アルベニス:イベリア 第2集「ロンデーニャ」「アルメリア」「トリアーナ」
演奏:ルイス・フェルナンド・ペレス

公演番号257
5月4日 21:30~22:15
“イベリア全曲②”
アルベニス:イベリア 第3集「エル・アルバイシン」「エル・ポーロ」「ラバピエス」
アルベニス:イベリア 第4集「マラガ」「ヘレス」「エリターニャ」
演奏:ルイス・フェルナンド・ペレス

ペレスは、数年前にFM放送で聴いたショパンの濃厚な色気に魅了され、いつか生で聴いてみたいと思っていたピアニスト。「イベリア」を聴くのは初めてですが、スペイン産オレンジの香りとフランスの高級香水が交互に立ち現れるような、なんとも魅力的な曲でした。特に後半、曲が進むにつれ、どんどん盛り上がり、その勢いで、アルベニスの「アストゥリアス」、ファリャの「火祭りの踊り」など、計4曲のアンコール。熱い! 観客には熱心なファンの方も多かったようですが、たしかに一度この人の演奏に接したら、好きにならずにはいられないですねー。
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by AngeBleu | 2013-05-07 23:01 | 音楽

「愛、アムール」

ミヒャエル・ハネケ監督の最新作で、昨年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品。ハネケにしては毒がないなどという前評判も耳にしていましたが……。いやいや、そんなことはありません。老老介護というテーマ、「Love」というタイトルから想像されるような、深い余韻や感動とはまったく無縁。毒気たっぷりの、恐るべきアンチメロドラマでした。

それにしてもキャストがすごいです。ジャン・ルイ・トランティニャン(ジョルジュ)とエマニュエル・リヴァ(アンヌ)の美老人ぶりには目を瞠るばかり。さらに、ピアニストのアレクサンドル・タローが本人役(元ピアノ教師だったアンヌの教え子という設定)で出ていたのには驚きました。劇中で流れる音楽はもちろんすべてタローの演奏です。実際の演奏場面もありました。老夫婦のサロンを訪ねたタローが、半身不随となったアンヌの求めに応じて、ベートーヴェンの「バガテルト短調」を弾くのです。いかにもタローらしい洒脱な演奏! 映画のなかでここだけ場違いな明るさ(笑)バガテルといえばベートーヴェンの最晩年にして最後のピアノ曲ですが、不安や翳り などみじんもない輝きにあふれた曲なのですね。シューベルトの最晩年の曲の暗さとは対照的です。その、そこはかとなく死の香り漂うシューベルトは作品全体に通奏低音として響いています。アンヌは死を感じさせるものはすべて遠ざけたかったのでしょう。たとえ愛する音楽でも。のちに愛弟子から贈られた最新CDはシューベルトの作品集でしたが、彼女は聴くことを拒否するのです……。

「愛、アムール」のサウンドトラックは、アレクサンドル・タローのミニアルバムのような趣になっています。7曲しか入ってないのかーと思いつつも、hmvの輸入盤まとめ買い価格で984円だったので、買ってしまいました。映画中のタローはシューベルトのソナタ集を録音したことになっていましたが、その企画は現実でも進行しているんでしょうか? シューベルトもですが、少しだけ流れていたバッハ/ブゾーニのコラール前奏曲集もぜひお願いしたいな~なんて思っています。
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by AngeBleu | 2013-04-01 21:26 | 映画

ブロムシュテット&バンベルク響のブルックナー第4番(2012年11月6日)

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モーツァルト : ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453
         (ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ)
ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 (ノーヴァク版)


久しぶりのサントリーホールです。私にとってのブルックナー第4番初ライブ。ブロムシュテットさんの指揮、バンベルク交響楽団の演奏だから、よくないわけがないとは思っていたけれど、これほどの至福体験になるとは!!

行ったことも見たこともないドイツの森林を思い浮かべながら聴くのが楽しいブル4。CDだと脳裏に浮かぶのは静止画像なのだけど、ライブだとまさに3D映画のような臨場感で、風景が迫ってきます。深い霧の中から聞こえてくる角笛の呼び声、朝日にあたためられていく大気、木の葉のざわめき、いっせいに飛び立つ鳥の群れ、本当にドイツの大自然の中をさまよっているような気分……。時々ふわっと体が浮いて、草原の上を飛んでいるような感覚にも。そうして、第4楽章では、いつのまにか天上にまで昇っていた!! 雲の上にそびえる大伽藍の鐘を、自ら打ち鳴らしているような・・・圧倒的な高揚感を味わわせてくれたのでした。あ~なんて幸せ! 幸せすぎて、涙が出ました。

鳴り止まない拍手にこたえて、何度も袖と舞台を往復するブロムシュテットさん。その足取りは作り出す音楽と同じく溌剌として、とても85歳とは思えません。かっこいいな~大好き!

話が前後しますが、この日のもうひとつの収穫が、前半のモーツァルトを弾いたピョートル・アンデルシェフスキさんです。顔と名前だけは知っていたけれど(コンサート会場でもらうチラシの束の中に必ず入っているような気がする)演奏を聴くのは初めて。いいピアニストですね~。第2楽章の弱音! ただ美しいだけでなく、あの幸福なモーツァルトの中にところどころ真っ黒な深淵が開いているところを見せてくれましたよ。極めつけは、アンコールで弾いたフランス組曲のサラバンド。ちょっとあっけにとられるくらいの名演でした。次の来日公演の機会には必ず聴きに行きたいと思います。
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by AngeBleu | 2012-11-17 21:00 | 音楽

クン・ウー・パイクのベートーヴェン(2012年4月13日@トッパンホール)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31-1
ブラームス:主題と変奏 [原曲:弦楽六重奏曲第1番 Op.18より 第2楽章]
―――――――――――――――
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117より 第1番 変ホ長調
ブラームス:8つの小品 Op.76より 第1番〈奇想曲〉 嬰ヘ短調
ブラームス:6つの小品 Op.118より 第2番〈間奏曲〉 イ長調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

T君に誘われて、韓国人ピアニスト、クン・ウー・パイクの演奏会に行ってきました。ベートーヴェンのピアノ・ソナタにブラームスの小品を挟むという、渋~いプログラム。ベートーヴェンのピアノ・ソナタで表題のついていないのってどうも難解でとらえどころがないイメージなんですよね~。私について行けるかな……と心配しつつ出かけたのですが……

冒頭のピアノ・ソナタ第16番から、心奪われました。あたたかくやさしさに満ちた、そして独特の粘りけのある音。しつこいくらい濃厚なブラームス。音が次々と流れて消えていくのではなく、弾かれた音がすべて残って、そのままひとつの宇宙を作り上げているようです。

圧巻は最後の32番のソナタ。第1楽章の身の毛もよだつような低音の打鍵……、第2楽章の瞑想的世界。“崇高”とはこういうことなんだとはじめて知りました。クン・ウー・パイクがすごいのか、ベートーヴェンがすごいのか(両方ですね)。

若いピアニストの才気あふれるキラキラした演奏を好んで聴く私ですが、クン・ウー・パイクのピアノはそういう刹那的な感覚の喜びなどとは対極にあるもの。打ちのめされたような気分で、終演後はしばし呆然としてしまいました。韓国を代表するピアニストでありながら、なぜか来日の機会は少ないとのこと。CDでは決して再現できないであろう、あの壮大な世界をまた味わってみたいです。

★ディスク紹介
バッハ/ブゾーニ:トランスクリプションズ
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私が持っている唯一のクン・ウー・パイクのアルバム。「めざめよと呼ぶ声が聞こえ」のブゾーニ版が聴きたくて図書館で借りました。とても気に入ったけれど、もう売っていないようなので、パソコンに落として聴いています。暗くしずかな情念にあふれた演奏がたまりません。

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T君所蔵の「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集」「ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番“悲愴”&第14番“月光”&第23番“熱情”」どちらも聴くのが楽しみ!!
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by AngeBleu | 2012-04-16 21:26 | 音楽

ネットで聴ける! アレクサンドル・タローのコンサート

先月パリのシャンゼリゼ劇場で聴いた、アレクサンドル・タローとカナダの古楽器アンサブル「レ・ヴィオロン・デュ・ロワ」の演奏会が、早速フランスのラジオ局France Musique(http://www.francemusique.fr)で放送され、オンデマンド配信されています。聴くと、あの夜の幸せな気分がよみがえってきました。アンコール2曲目は、ハイドンのピアノ協奏曲と判明。ハイドンってこんなチャーミングな曲書いてたのね。キラキラした音色、即興性と遊び心にあふれた、アレクサンドル・タローならではの刺激的な演奏でした。間違いなくこの夜一番盛り上がった演目で、客席の興奮がラジオからも伝わってきます。

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これは、ここ1年ほどヘビロテで聴いている、クープラン、バッハ、ラモーの作品集(お得な3枚組)。3枚のうちどれが一番とはいえないほど、全部好きです。どんなに心が荒れているときも、少し聴くだけですっとクリーンな世界に入り込めます。癒しの音楽というとなんだか安っぽく聞こえますが、私にとってはこれこそがまさに癒しの音楽。媚薬を飲んだかのように、ただただ官能の快楽に浸ることができるんだもの・・・。媚薬ならいつか使い果たしてしまうけれど、音楽はいつまでもなくならないのもいいです。
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by AngeBleu | 2011-12-11 16:44 | 音楽

愉楽の時~アレクサンドル・タローのバッハ、モーツァルト(11月21日@シャンゼリゼ劇場)

パリ・シャンゼリゼ劇場で開かれたアレクサンドル・タローとカナダの古楽器アンサンブル「レ・ヴィオロン・ド・ロワ」による演奏会に行ってきました。

ハイドン:交響曲第44番
バッハ:鍵盤協奏曲BWV1058
モーツァルト:交響曲第17番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」

ただただ音の快楽に酔いしれる、至福の時間を過ごしました。時差ボケ、体調不良で、行くかどうか迷ったコンサートでしたが、行ってよかった~。
タローが弾くバッハは、モダンでクールでおしゃれ。バッハがまるで現代音楽の即興演奏のように聞こえます。後半のモーツァルトは、軽やかで自由な、まさにタローのモーツァルト。ちょうどピアノの鍵盤を真上から見下ろす4階バルコニー席だったので、視覚的にもとても楽しめました。古楽の伴奏もパッションにあふれ、タローのクールな響きと不思議によく合っていましたね。アンコールは、マルチェッロのオーボエ協奏曲をピアノ協奏曲にアレンジしたもの。タローの「Concertos Itliens」というアルバムにも入っている、大好きな曲です。そして、もう1曲は全然知らない曲だけど(モーツァルトの初期の曲かな?)タロー節炸裂、即興的魅力にあふれたすてきな演奏でした。

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終演後に開かれたサイン会に、思わず並んでしまいました。タロー、演奏もかっこいいけど、ルックスもかっこいいんだよね~並んでいたのはほとんどが女性だったような(笑)

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今回の演奏会と同じベルナール・ラバディ指揮レ・ヴィオロン・ド・ロワと組んだ新アルバム「バッハ鍵盤協奏曲集」
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by AngeBleu | 2011-11-22 21:18 | 音楽

ウィーン・フィルハーモニー東日本大震災復興支援チャリティコンサート@サントリーホール(10月18日)

モーツァルト:ピアノ協奏曲 イ長調 K488から第2楽章
(ピアノ:クリストフ・エッシェンバッハ)
マーラー:『少年の魔法の角笛』から
(バリトン:マティアス・ゲルネ)
シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D759「未完成」


初めてのウィーン・フィル体験。
ウィーン・フィルの来日コンサートなど私には高嶺の花(高値の花ともいう)で、生涯行くことはないだろうと思っていました。ところが、東日本大震災チャリティコンサートとして開かれた18日のマチネ公演は、なんと全席1万円。3日前に知り、だめもとでホールに電話したら、まだ空いていた! LCという今まで買ったことのないような良席で、憧れのウィーン・フィルが聴けるなんて♪ しかもモーツァルトのピアノ協奏曲では、なんとエッシェンバッハの弾き振り姿が見られるのです。ピアニスト・エッシェンバッハのファンには夢のよう……

「ピアノ協奏曲第23番」は、一昨年のパリ管とのエッシェンバッハ70歳のバースデーコンサートでも披露された曲。今日演奏された第2楽章は、震災の犠牲者に捧げられるということで、悲哀の色がいっそう濃厚に感じられました。テンポはより遅く、弱音はより弱く……まるでかすかなため息のようなピアノ。それを慰めるかのようなやさしい木管の響き、その美しさになおさら涙を誘われます。最後の弦のピチカートは去りゆく人の足音のよう。……自分もいつか去りゆく側になるのだ……そんなことを突然悟ってしまうほど、深い演奏でした。演奏後の拍手は控えられ、舞台上の奏者と客席の全員が立ち上がって1分間の黙祷を捧げました。

「少年の魔法の角笛」を聴くのははじめてです。演奏されたのは「ラインの伝説」「麗しきトランペットが鳴り響くのは」「原光」の3曲。こんなに神々しく美しい曲だったのですね。ゲルネさんの驚くほどまろやかな声、艶やかでそこはかとなく退廃の香りがするオーケストラの演奏にうっとり。

そして最後の「未完成」。超有名曲すぎて、かえって演奏会で聴く機会のなかった作品。なんといえばいいんでしょう。感動というより、驚きで言葉がありません。こんなに壮絶な曲だったなんて……。

なんとも濃密な1時間でした。エッシェンバッハとウィーン・フィルが追悼の祈りのために選んだのは、みごとに死の淵をかいま見せるような曲ばかりでした。「死」から目をそむけているところには、「希望」も「復興」も生まれない。そんなことを教えてくれたような気がします。ありがとう、ウィーン・フィル。ありがとう、エッシェンバッハ。
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by AngeBleu | 2011-10-19 21:03 | 音楽

ラ・フォル・ジュルネ2011(5月5日)

ゴールデンウイークの楽しみ、ラ・フォル・ジュルネが大幅縮小してしまったので、私のゴールデンウイークの予定も縮小。お休みは5月5日のみにして、ラ・フォル・ジュルネは結局2公演だけに行きました(新しく組まれたプログラムを見るのが面倒くさかったというのもある)。

ちょっと早めに国際フォーラムに着いて、中庭に並ぶ屋台を見て回りました(毎年同じ行動パターン)。公演数が減ったので、当然、人出も少なくなっているのでしょう。屋台の料理はどこもほとんど並ばずに買え、テーブルも簡単に見つかりました。のんびりしていい感じです。ファラフェル、クスクス、ローストチキン、赤ワインでまずは腹ごしらえ。

17:30から地上広場キオスクで、ロシアの若手ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフの無料コンサートがありました。バッハ「シャコンヌ」(ブゾーニ編曲…かな?)は、バッハとは思えないほどロマン派の香りが濃厚な演奏。ラフマニノフの前奏曲からの1曲も荘厳ですばらしかった。(フィギュアスケートの浅田真央ちゃんが去年のフリープログラムで使った曲です。真央ちゃんのはオーケストラ版でしたが、ピアノ原曲のほうがだんぜんよいです。ずっとドラマチックです。)2曲聴いただけですが、コロベイニコフさんの持つ暗い情念のようなものにとても惹かれました。来年のラ・フォル・ジュルネのテーマは「ロシア」ということなので、またこのピアニストに会えるかもしれません。

聴いた有料公演は次の2公演。

18:15~
シェーンベルク:6つのピアノ小品 op.19

シェーンベルク:月に憑かれたピエロ op.21
勅使川原三郎 [ダンス]
マリアンヌ・プスール [ソプラノ]
サンガー・ナー [フルート/ピッコロ]
インヒュク・チョウ [クラリネット/バスクラリネット]
ギヨーム・シレム [ヴァイオリン/ヴィオラ]
ジュリアン・ラズニャック [チェロ]
フローラン・ボファール [ピアノ]


勅使川原さんが「月に憑かれたピエロ」を踊るというので楽しみにしていた公演。予定になかった佐東利穂子さんも出演されていました~。事前になんとなく想像していたとおりの振付ではあったけれど、間近で見るてっしーはやっぱりすごい! ダンスとその伴奏、というのではなく、ダンサーも楽器のひとつとなって、体で音楽を奏でているようでした。おもしろかったです。でも……「月に憑かれたピエロ」って、もともとただならぬ美しさと妖しさに満ちた曲なんですよね。今回は特に、歌うというより語るようなソプラノをはじめ、演奏がとにかくすばらしく、音を聴くだけで目の前に次々と幻想的、蠱惑的な映像が浮かんでくるのです。なので、勅使川原さんを見るのを忘れることもしばしば(笑) もう一度同じメンバーで音楽だけ聴いてみたい気持ちになりました。

20:00~
ルネ・マルタンの“ル・ク・ド・クール”
(1)ブラームス(パウル・ユオン編曲):ハンガリー舞曲第4番 嬰へ短調
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団/ 山田和樹[指揮]
(2)ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 op.102 より 第1楽章
庄司紗矢香[ヴァイオリン]/タチアナ・ヴァシリエヴァ[チェロ]/ウラル・フィルハーモニー管弦楽団/ドミトリー・リス[指揮]
(3)リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調 より 第1楽章
広瀬悦子[ピアノ]/ウラル・フィルハーモニー管弦楽団/ドミトリー・リス[指揮]
(4)ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.83 より 第3楽章
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ]/ウラル・フィルハーモニー管弦楽団/ドミトリー・リス[指揮]
(5)マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 より 第4楽章 アダージェット
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団/ドミトリー・リス[指揮]
(6)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 より 第3楽章
テディ・パパヴラミ[ヴァイオリン]/ウラル・フィルハーモニー管弦楽団/ドミトリー・リス[指揮]
(7)ブラームス(ヴォーチェス8編曲):子守歌 op.49-4
ヴォーチェス8 [声楽アンサンブル]
(8)バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調よりシャコンヌ
庄司紗矢香[ヴァイオリン]/勅使川原三郎[ダンス]


「てっしー出るからついでにこれも」くらいの気持ちで買った公演。こんなに盛りだくさんな内容だなんて当日まで知らなかった~。今年のラ・フォル・ジュルネの名演集といった感じの豪華なコンサートでした。印象的だったのは……ドッペルコンチェルトの庄司紗矢香さんのどこまでものびやかなヴァイオリン。広瀬悦子さんの華麗で色彩あふれるリスト。軽くタッチするだけなのにばっちりツボに効くマッサージのような(笑)ベレゾフスキー、などなど。
当日になって発表された勅使川原さんが踊る演目は、庄司紗矢香さんの演奏でバッハの「シャコンヌ」。真っ暗な舞台の上、かすかな光の中に浮かぶ2人の立ち姿を見るだけですでに感動……。踊りと演奏がどちらが主でも従でもなく対等に向かい合う……希有な舞台。2人の芸術家による、静かで、力強い、鎮魂と希望の歌。圧巻でした。今の日本の状況を踏まえた表現であったようにも思います。

半日しか行けなかったけれど、ラ・フォル・ジュルネ、やっぱり楽しいです。この時期、日本に来てくれる海外の演奏家がいるというだけでも嬉しいですね。(かといって来日キャンセルした人を恨むわけではありません。)来年は、本来の賑やかで祝祭的な気分に満ちた音楽祭ができますように……。
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by AngeBleu | 2011-05-07 01:30 | 音楽

ヨーロッパで開かれた東日本大震災のためのコンサート

今夜(4月8日)のNHK-FMベストオブクラシックで、東日本大震災後にベルリンとパリで開かれたふたつのチャリティーコンサートが放送されます。昨夜もM7の地震があり、東北地方は今も停電が続いているとのことで、実際の被災者の方の耳にはなかなか届かないかもしれません……。今困難な状況にいるすべての人々が、音楽によって慰められる日が来ますように。

-ヨーロッパで開かれた東日本大震災のためのコンサート-

▽ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとそのほかによる
東日本大震災チャリティーコンサート

「無伴奏バイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調
BWV1004から シャコンヌ」バッハ作曲
(バイオリン)コリヤ・ブラッハー

「なき王女のためのパヴァーヌ」ラヴェル作曲
(オーボエ)アルブレヒト・マイア
(ピアノ)ラファエル・アルパーマン

「ああ主よ、あなたの愛する天使たちに命じて」トゥンダー作曲
(ソプラノ)ドロテー・ミールズ
(演奏)コンチェルト・メランテ

「聖歌四編から アヴェ・マリア」ヴェルディ作曲
(演奏)ベルリン・フィル12人のチェリストたちと有志

~ドイツ・ベルリンカイザー・ウィルヘルム記念教会で収録~
<2011/3/19>
(ドイチュラント・ラジオ・クルトゥーア提供)
    
                              
▽佐渡裕、ジャン・イヴ・ディボーデ、フランス国立管弦楽団による
東日本大震災の犠牲者に捧げるコンサート

「組曲 第3番 ニ長調 BWV1068から アリア」バッハ作曲

「歌劇“グヴァンドリーヌ”序曲」シャブリエ作曲        

「ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 作品103」サン・サーンス作曲
(ピアノ)ジャン・イヴ・ティボーデ
(管弦楽)フランス国立管弦楽団
(指揮)佐渡裕
 
~フランス・パリ シャンゼリゼ劇場で収録~
<2011/3/24>
(ラジオ・フランス提供)
           
                              
震災以来、海外から次々と日本への応援メッセージが届いています。あたたかい言葉、祈りの声、歌、音楽……。日本のことを思ってくれる人が世界中にこれほどたくさんいることに驚きました。本当にありがたく、勇気づけられます。ひるがえって私は、他国の苦難ををわがことのように悲しみ、手をさしのべたことが今までにあったでしょうか? 反省しないではいられません……。
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by AngeBleu | 2011-04-08 16:05 | 音楽

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