2009年 09月 14日
フランスで最も美しい村(1)ゴルド、ルシヨン
「フランスで最も美しい村」とは、これといった観光名所はないけれど、きらりと光る魅力のある村を「美しい村」として認定する制度。人口が2000人以下であること、2つ以上の歴史遺産があることなどが認定の条件で、フランス全土に現在155の「美しい村」があります。村をあげて町並みの保存に努めているので、「美しい村」に認定された村ならどこを訪れても、フランスの田舎らしい趣ある風景に出合えることが多いです。
フランスの最も美しい村協会のサイトはこちら。
今回の「ふしぎ発見」では、そのなかで南仏にある美しい村を3つ紹介していました。ヴォークリューズ県のゴルドGordes、アルプ・ド・オート・プロヴァンス県のムスティエ・サント・マリーMoustiers Ste-Marie、ヴァール県のガッサンGassinです。番組では、どこも鉄道で行けるような印象を与える紹介の仕方でしたが、これらの村へは鉄道では行けません。人里離れたところにあるからこそ、昔ながらの「美しい村」の姿が今も残っているのです。もしこれらの村が鉄道の通る場所にあったら、人口も増え、開発が進んで、美しい村のままではいられなかったはずです。
番組中では、アヴィニョン駅から、次の瞬間に着いていたゴルドGordes。ここはアヴィニョン駅から40kmのところにあり、車で40分くらいかかります。駅でレンタカーを借りるか、タクシーでということになります。この村は、プロヴァンスの「美しい村」の中でも特に有名で、観光バスで訪れる団体ツアーもいるくらい。なので村の中は騒がしくて、小さな村ならではの静かな雰囲気は味わいにくいかもしれません。
この村で一番美しいのは、村の中ではなく、離れたところから見る村の遠景です。タクシーでゴルドに向かうなら、村に入る前の展望台で停まってくださいとお願いしてみましょう。気の利いた運転手さんなら頼まなくても停まってくれるかもしれません。この展望台から見るゴルド村の姿は、息をのむほどすばらしいです(上の写真)。
プロヴァンスの「美しい村」では、ゴルドの近くにあるルシヨンRousillonのほうが、私は好きです。赤色顔料の原料となるオークルが採れる山の近くにあり、家々はすべてオークルで赤く塗られていて、とてもかわいらしい村です。「巨人の道(Chausee des Geants)」と呼ばれる、オークルの採掘場跡を歩くのも楽しいです。タクシーを半日借り切ることができるなら、このルシヨンを散策し、その後、ゴルド、ゴルドのすぐ近くにあるセナンク修道院(ラベンダーで有名なシトー派の修道院)を訪れるのがおすすめ。