2009年 12月 17日
プロヴァンスのクリスマス
ところが意外に、どの町も活気がありました。クリスマスの飾り付けも始まっていて、ちょっと大きめの町ではクリスマス市の屋台が並び、けっこうなにぎわい。デパートなどのクリスマス商戦の売り上げもそう悪くないそうです。確かに景気は悪いけれど、現地の人いわく、フランス人はこういう不景気時にこそ思い切って財布のひもをゆるめて気分を切り替えようとするのだとか。それが景気回復の糸口になることも期待してのことでしょう。
13種のデザートは地域や家庭によって違いますが、必ず出てくるのは次のもの。
ポンプ・ア・ユイル:オリーブオイルとオレンジの花で風味付けしたパン
白いヌガーと黒いヌガー
4人の乞食:くるみ、アーモンド、イチジク、干しブドウ(4つの托鉢修道会を象徴する色から選ばれたもの)
これに、リンゴ、洋ナシ、ブドウ、オレンジなどのフルーツ、カリソン、フルーツの砂糖漬けなどを加えて、13種を揃えます。
カトリックの国、フランスでは、クリスマスが日本でいうお正月のようなもの。家族が必ず集まって食事をする1年で一番大切な日です。この13種のデザートも、ちょっと日本のおせち料理に似ているような気がします。黒豆、田作り、昆布巻……のような。ごちそうというにはあまりにも質素なところ、そして好き嫌いにかかわらず必ず食べなければいけないというところも。
ドイツのクリスマス市ほど華やかではないけれど、生活感あふれるプロヴァンスのクリスマス市もなかなか味わいがあります。アヴィニョンのクリスマス市は年明け後の1月3日まで開催されているので、年末年始の旅行でプロヴァンスを訪れる人はぜひ立ち寄ってみてください。