Trans Europe Express


フランス、ドイツなどヨーロッパの旅の話題を中心に、映画、音楽、ダンス、アート鑑賞記録も。
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フランスで最も美しい村(6)ルールマラン

プロヴァンスにある「フランスで最も美しい村」のひとつ、ルールマランLourmarin。「美しい村」の中には、「なんでここが?」と思うような平凡な村もありますが、ここは正真正銘の美しい村です。田舎にしては洗練された雰囲気もあり、ほかの村にはない特別な空気が流れているように感じます。
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ブドウとオリーブの畑の向こうに見える村。背後のリュベロンのどこか神秘的な山並みも、この村の美しさを引き立てています。
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村から少し離れたところに、15世紀から16世紀にかけて建てられた城が建っています。一度内部に入ったことがありますが、ルネサンス様式の螺旋階段や暖炉、中庭を囲む木造の回廊など、すばらしいものでした。おそらくプロヴァンスで一番美しいルネサンス建築のひとつではないでしょうか。
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街並みは小綺麗だし、行き交う住人も、どう見てもプロヴァンスの田舎の人じゃない。皆、パリのサン・ジェルマン・デ・プレあたりにいてもおかしくないようなハイソな雰囲気をまとっています。どうやら村の家の多くは、裕福なパリジャン、パリジェンヌが週末を過ごす別荘になっているようなのです。
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お店の数も多いですが、観光客向けのお土産屋さんは見あたらず、この村に住む裕福な人々のための高級品の店ばかり。ハイセンスなインテリア雑貨で有名な「Cote Bastide」もありました。

この村のもつ一種独特の美しさは、昔から多くの文学者を惹きつけてきました。ジャン・グルニエは、『孤島』や『地中海の瞑想』の中で、ルールマランへの思いを語り(「見れば一目で恍惚となる」!)、アンリ・ボスコは、ルールマランを舞台にした神秘的な小説(『シルヴィウス』『ズボンをはいたロバ』『少年と川』etc.)を多く残しました。

そして、なんといっても有名なのがアルベール・カミュです。故郷アルジェリアに似た強い日差しに惹かれてか、あるいは師であるジャン・グルニエの影響か、カミュは46歳で亡くなる直前、ルールマランに家を買い、この村の墓地に葬られました。

ところで、昨年の12月にこの村を訪れたちょうどその頃、「サルコジ大統領がカミュのパンテオン移葬を提案している」という新聞記事を目にしました。パンテオンはパリにある国家の英雄を祀る霊廟。文学者では、ユゴー、ゾラなどが埋葬されています。サルコジの提案に対し、カミュの息子は、「体制に反抗を続けた父が政治権力に取り込まれることを懸念」して反対を表明しているとか。一方、今もルールマランに住みお墓を守っている娘さんは、「父が偉人の名に値するのは確か」なので賛成と、きょうだいで意見が違うようです。カミュとは何の関係もない私がいうのもなんですが……彼自身が終の棲家として選んだ太陽の土地から引き離し、パリの冷え冷えとした大理石の中に閉じ込めるなんて、いかにも無粋……という気がしてなりません。
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by AngeBleu | 2010-01-16 21:23 | 南仏プロヴァンス

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